mission7 超問題児のアイドルを説得せよ!?

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圧倒的な罪悪感で俺はその場で膝が震え、これまで積み上げてきた大切な物がガラガラと崩れるような感覚に襲われる。 「これでひとまず取引は成立という事でいいですね?それと安心してください。私の気が済んだら写真は必ず消去すると約束しますので、上谷さんも全力で私に協力してください」 その言葉をどうやったら信じられるのか教えてもらいたいが、無力な俺は……黙ってその取引に応じる事しか出来なかった。 これなら舞の性格の方が何倍も可愛げがあると思ってしまう程の悪さに付け加え、純粋なまでに人を陥れようとする事に躊躇しない精神力。 まさに天使の顔をした悪魔と言える人物に違いない。 もし時間を巻き戻せるなら、今すぐ戻って笹原さんに声を掛けた俺を殴り飛ばしたいくらいだが、こうなってしまっては後の祭りだ。 「ではまず最初にお互いの呼び方から変えていきましょう。貴方はこれから私の事を唯華と呼んでください。それと親密度をアピールするために敬語もやめてくださいね」 こうなってしまっては俺の方も笹原さんの事を呼び捨てにするのは躊躇いはなく、すぐさまそれに応じた。 「分かった。歳も同じだし、遠慮はもうしないからな?」 「ようやく警戒心が芽生えましたか。それじゃあ私は……せっかくなんで舞さんと同じ呼び方で貴方を呼んでもいいでしょうか?」
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