mission7 超問題児のアイドルを説得せよ!?

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今になって気付いたが、唯華は所々で舞を意識している節がある。 俺を利用してメンバーに入ろうとしているのは理解したが、なぜこのタイミングで?という疑問も残り、何かのキッカケで唯華の弱点や弱みを握れれば……。 そんな逆転の活路を見出そうとしていると、唯華は真っ直ぐな瞳で俺と視線を合わせ、小さく微笑み掛けた。 「残念ながら優也さんが見つけたい弱みなんて私にはありませんよ。なぜなら私は自分のみを信じているからです。一人なら強いままです。仲間を作るから弱くなるんです」 「また随分捻くれた考えだな。それと今この瞬間で俺と唯華は最悪な形ではあるけど、一応仲間になったんじゃないのか?」 「私と優也さんが仲間?ふふっ。笑わせますね。そんなはずないじゃないですか。私は誰とも仲間にはなりませんし、必要ありません。今だって……優也さんは仲間がいるから利用されてるんですよ?」 確かに今のが普通の高校生として撮られた写真なら、大きな被害を受けるのは俺と唯華の二人だけで済んだかもしれない。 だが付き人として撮られた時点で仲間であるみんなを巻き込み、俺が裏切れないと分かっているからこそ、この状況が生まれてしまった。 結果だけ見れば唯華の思惑通りなんだろうけど……果たして本当に仲間がいない事がそんなに自分を強くするのだろうか。
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