mission7 超問題児のアイドルを説得せよ!?

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「私から見れば優也さん達はフワフワと浮かぶシャボン玉にしか見えません。突けばすぐに割れてしまうような存在で、どこまで高く飛べるのでしょうか?」 「意外にロマンチックな例えをしてくれるんだな。俺はもう唯華がただの冷徹なアイドルにしか見えないけど、頼むから舞たちには余計な手を出すなよ」 これ以上唯華に好き勝手されては本当に皆の夢が無に帰してしまう。 それだけは絶対に避けなければいけない結末のため、今は我慢して唯華の言う事を聞くしかない。 「えぇ。それも約束します。優也さんは先ほど私に目的は何だと訊ねましたが、目的なんてありません。ただの暇つぶしです。暇な私の前に優也さんが現れた。それだけの話です」 ますます唯華の真意が分からなくなるが、それを深く考えようとする前に部屋の扉がノックされ、いよいよ俺は仲間たちの為に嘘をつき続けなければいけない。 「では頼みましたよ。それと一つアドバイスですが、優也さんは嘘をつくと視線がすぐに上を向くので、必ず人の目を見て話し続けてください」 嘘を上達させるアドバイスなんて聞きたくもないのだが、自分を騙すには心から鬼になるしかない。 なので俺は一度深呼吸し、腹を括った。 そして扉の奥から現れたのは舞と瑞樹さんの二人で、部屋に入ると纏っている雰囲気が穏やかではないとすぐに分かってしまう。
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