桜の咲く頃に。

想い

「……尚更悪い。お前、今日は医者に行って来い。｣

嫌だと言いたかったけど、昔土方さんが労咳で療養していた事があると話していたのが頭をよぎる。

少し咳するだけでも、土方さんは不安になるのかもしれない。

医者に行くだけで、土方さんの不安が軽くなるなら………｡

「…わかりました。今日は医者に行きます。ただの風邪ですけど｡｣

土方さんはホッとしたようにため息をつく。

「……風邪でもなんでも早めがいいんだよ。お前、ちょっとは休め。今から新撰組はますます忙しくなる。お前が元気じゃないと近藤さんが困るだろうが。｣

照れ臭いのか、早口で言うと、土方さんは去っていった。

近藤さんや土方さんに心配かけないように、僕も元気でいないと。

僕は朝稽古をやめると、ご飯食べたら医者に行こうと決めて、朝食に向かった。