桜の咲く頃に。

想い

しばらく黙った後、先生は小さくため息をついた。

「……仕方ないのぅ。｣

ポツリと呟くと、僕の方を見る。

「……ゆっくり話をしよう。入り口を閉めてくるから、待っててくれんか？｣

「…わかりました。｣

答えると、客間に行くように言われ、その通りにする。

客間は桜さんの部屋の隣だから、なんだか胸が高鳴る。

座って先生が来るのを待っていると、桜さんが今にも部屋から出てきそうなのにな………。