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「……待たせてすまんのぅ。」
先生の声に我に返り、姿勢をただす。
先生はお茶を用意してくれたようで、ありがたくいただく。
もう少しで桜さんの近況がわかる。
そう思うと、緊張してきてお茶も喉を通らない。
「……先生、桜さんはどこにいるんでしょうか?」
先生は頷き、お茶を啜った。
それからゆっくり話し出す。
「……あの子はな、今、少し離れた場所で療養しとるんじゃ。労咳なんじゃよ。」
「…………っ!」
労咳。
桜さんの痩せた顔が浮かぶ。
あの時、僕はどうして気づけなかったんだ………!
体調悪くて辛かったろうに、何もしてあげられなかった。
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