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もっとも、陰陽師について正直何も知らないしな。
家にある古文書?とか読めねぇし。
祖父さんが丁寧に教えてくれるんだけどさ、あんなもん、日本語じゃねーよ。
「それは冬獅郎の努力が足りないんです~」
…テメェ、何様だよ!
決めた。
祖父さんの教えてくれる札の作り方に結界用のがあったから、とりあえず、それだけはちゃんと作れるようにする!
こいつ、隔離してやる!!
「へぇ~。それは楽しみですね~。やれるもんならやってみやがれです!!」
背後でマツリが鼻で笑いやがった。
コロス!
……………
………
死んでるけどな、こいつ。
―――――――――
――――――
―――
寝不足極悪面を晒すわけにはいかないので、祖父さんがまたあれこれ指導してくれることになった。
…なんか…すまねぇ…。
「冬獅郎。とにかく筆で文字が書けなきゃならん。お前さんは数世代ぶりに現れた奇才の持ち主じゃからな。読むのは…この際後回しじゃ。その気になれば、読まずとも“詠める”はずだしのう」
祖父さんはふぉっふぉっと笑った。
…正直、書ける気がしねぇんだけどな。
祖父さんの書いた札を手本に、悪戦苦闘するものの…
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