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それから更に数日後。
朝一番に窓の外から見えるのは、真っ白い雪。
クリスマスのこの日。
神様は私に、ホワイトクリスマスというプレゼントをくれた。
2度目の今日も、彼と一緒に過ごせる。
例えそれが、あの箱の中だとしても私は嬉しくてたまらなかった。
次第に元気になっていく彼を目にして、私は1日24時間という時間に感謝の気持ちでいっぱいだ。
1分1秒でも惜しい。
彼ともっと話したい。
彼ともっと会いたい。
彼ともっと見つめ合いたい。
……私はいつからこんなに我儘な人間になったのだろう。
彼が退院したら、行きたい場所がいっぱいある。
もう1度あの水族館へ。
そして夜の学校へ。
……遊園地へ。
あの海へ。
一緒に過ごした時間を、逆戻りさせるの。
違う思い出に変えるの。
彼のことだけを考えて、笑ってはしゃいで楽しみたい。
「やだ、もうっ!」
色々と妄想していた私の目の前。
オーブンから焦げ臭い匂いが漂ってくる。
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