鬼部長

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「待ってろ。」 部長が言いながら車を降りると、すぐに助手席のドアが開いた。 私がイスから降りようとするけれど、深い座席から立ち上がるのがなかなか難しい。 私がわたわたしてると部長がクスクス笑って膝から私の荷物を取り、反対の手を差し出した。 「…すみません。」 私は部長の手をとった。 …大きな手。 あ、桜の時は頭にのせられたっけ…。 ところで、ここは立体駐車場? お店は? 「悪い。少し歩くんだ。」 キョロキョロしていると、部長が歩き始めたので私も後に続いた。
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