鬼部長

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そして、連休。 私は休日出勤の2日目を他の3人と共に過ごしていた。 昨日は今日のことを考えて残業までした。 おかげで今日はやるべきことは 定時までになんとか終わりそうだった。 定時間近になって、やっと私の部署内にも連休ムードが広がってきた。 「やったー!出来ましたね!」 琴ちゃんのはしゃいだ声。 「ホント、予定通り!」 池口さんもうれしそう。 「みんな、ご苦労様。じゃあ、定時には会社出られるように準備してくれ。」 部長もホッとしているみたいだった。 私は今日仕上げる仕事は終えることが出来たけれど、実はもっとやりたいことがたくさんあった。 明日、出勤させてもらおうかな…。 そんな風に思っていたけれど、池口さんも琴ちゃんも達成感と明日からの連休に心を踊らせているので、この場で部長に言うのはやめた。 定時になり、池口さんも琴ちゃんも早速予定があるらしく、バタバタと帰っていった。 二人になると部長が言った。 「今日も車だ。乗って行くか?」 …ドキン…。 心臓が大きく跳ねる。
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