苦手なヒト

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「…私、食器が…好きなんです。」 言いながら顔がにやけてしまう。 「私の趣味なんです。焼き物も好きだし、洋風のデザインのも好きだし、とにかくそういうお店を覗くの大好きなんです!他にお金のかかる趣味もないし、気に入ったものは買いたくなっちゃって、…結構増えてきてます。」 「でも、いい趣味だな。料理も映えてたし。」 私は部長が私のこだわりを気付いてくれたみたいで、なんだかすごく嬉しくなった。 「…じゃあ、部長には特別なもの出しちゃいますね。待っててください。」 私は食べ終わった食器を一通り片付けてから、部長にはコーヒーを、自分には紅茶を入れた。 それを部長のもとに持って行くと、部長が笑ってそれに触れた。 「…これだな?」 「はい。素敵だと思いませんか?」 「確かにいい色みだな。」 それは青と赤の色違いのコーヒーカップとソーサー。信楽焼の一脚6000円の私のお気に入り。 青と赤のこの渋い色合いがたまらない。 実は青の方はまだ誰にも使わせたことがない。 でも部長なら… この良さ、わかってくれるでしょ? そんな話ですっかり上機嫌な私は、偶然流れたテレビの一コマにもはしゃいで意見してしまった。
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