苦手なヒト

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アパートに着くと、部長に来客用の駐車場と部屋番号を教えて一足先に部屋に入った。 部屋を見渡して安堵の息。 この時ばかりは、普段から綺麗好きな自分を褒めたくなった。 その時。 ピンポーン。 …ん? インターホン? 玄関に行きドアを開けると、眉を下げた部長の困ったような表情が覗いた。 「…なんだか、勝手に開けれなくてな…。」 そんな顔… …初めて見た。 私は思わず笑ってしまって、一気に緊張がとれたみたいだった。 「どうぞ。狭いところですが。」 きっと普通の笑顔で言えたと思う。
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