苦手なヒト

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その瞬間、私の体かビクンと跳ね、同時に鳥肌が全身を覆った。 その反応に成瀬さんは一層抱き締める腕に力を込めた。 「…離してっ……!」 私は腕をほどこうと成瀬さんの中で必死にもがいた。 …部長…早く来て! …助けて! 「そんなに暴れないでよ。」 「お願い!離して…!」 「やめて!!」 私が叫び、力を入れると一瞬成瀬さんが体勢を崩し、手がほどけた。 私はよろめきながらプリンターに手をついて逃げようとしたために、プリンターから印刷された十数枚の用紙がバサッと宙を舞った。 その時、 事務所のドアが勢いよく開いた。
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