苦手なヒト

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「…西島部長…。顔、怖いっすよ。何をって…何もしてませんよ。プリンターの前でよろけそうになった室井さんを支えようとしたら、拒否られちゃって。用紙もこんなになっちゃいましたよ。」 成瀬は悪びれる様子もなく、落ちていた用紙の一枚を拾ってみせた。 こいつの嘘は明白だが、今は一刻も早く室井からこの男を遠ざけたい。 「今すぐここから出て行くんだ。」 「…部長…。そんなに怖い顔して…もしかして、なんか俺が変なことしたとか思ってます?ちがうよねぇ、室井さん?……そういう部長こそ、これから室井さんと二人きりなんでしょ?いやらしいことしないで下さいよ。」 口ではわからないらしい。 俺は拳(コブシ)を握って一歩前に出た。 その時、 俺の後ろから室井が突然飛び出して、次の瞬間には成瀬にキツい平手打ちをくらわした。
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