2671人が本棚に入れています
本棚に追加
「…部長をあなたと一緒にしないで。部長はあなたとは全然違う。」
室井が声を殺して言ったが、そこには確かに怒りがこもっていた。
それを聞いた成瀬は顔を歪め、それには応えず俺を睨み付けて事務所を出て行った。
二人になり、すぐにでも室井を抱きしめたかった。
強く抱きしめて、何もなかったことにしてやりたかった。
しかし、室井は俺の顔を涙目で見つめながら静かに言った。
「…部長…。コーヒー入れてきますね。」
彼女はかすかに微笑んで事務所を出た。
最初のコメントを投稿しよう!