苦手なヒト

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部長を待たせないようにすぐに仕上げて、いつもよりキレイに盛り付けてテーブルへ運んだ。 リビングダイニングなので、ダイニングテーブルを置くとなんとなく部屋が狭くなってしまうので、リビングのローテーブルが、私の食卓だった。 全てが並ぶと部長はホントにびっくりしたように声を上げた。 「…すごいな…。」 今日のメニュー ごはん 味噌汁 海藻サラダに 筑前煮とイワシのフライ 部長には栄養を採ってもらわなきゃならないから、筑前煮みたいにたくさん野菜が食べられたり、食品数が多くなるように工夫したつもり。 「おまたせしました。食べて下さい。」 「待ってなんていない。手際がいいんだな。じゃあ、いただきます。」 部長はきちんと手を合わせて言ってくれた。 部長はお腹が空いていたのか、本当にたくさん食べてくれた。 ご飯もおかわりをしたくらい。 部長が 『美味しい。』 その言葉を言ってくれる度に、自分で箸を進めるよりもお腹が満たされていく気がした。 もしかしたら… 胸の中まで。 くすぐったくて… …嬉しかった。
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