苦手なヒト

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「ご馳走さま。」 部長がまた手を合わせて言った。 「…本当にどれも美味しかったよ。意外な才能だな。」 「意外とは失礼な。」 私は膨れっ面をしてみせた。 「冗談だよ。美味しかったから、思わず食べ過ぎた。」 部長の笑顔は嘘ではなかったから 私は簡単に許してしまった。 「…ところで、一人暮らしにしちゃあ、ずいぶん食器がいろいろ揃ってるんだな。」 部長が食べ終わった空の食器を見て言った。
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