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ピンポーン。
「ハーイ、今行きまーす。」
中から声が漏れて、しばらくすると室井がドアを開けた。
「おはようございます。すみません、お待たせして。」
室井の声とともにいい匂いが俺を包む。
「おはよう。行こうか。」
俺がくるりと向きを変え歩き始めると、室井はドアに鍵をかけて俺の後についてきた。
…参ったな。
会社とはちがう室井をなんだか正面から見られない。
それにむやみにほころぶ自分の顔が照れくさくてすぐに背を向けてしまった。
今日の俺は…大丈夫だろうか。
少し心配になりながら、俺は助手席のドアを開け、室井を乗せた。
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