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車に戻る時、先に歩き始めた部長が自然に後ろに手を差し出してくれた。
こんな些細なことにも、驚いて、恥ずかしくなったりするけれど、私は部長の手を握った。
手から伝わる体温でこんなにも安心出来るなんて。
好きな人ならなおのこと。
私たちは、恋人として初めてのドライブを楽しみながらショッピングモールに向かっていた。
「部長は女性とのショッピングは苦手じゃないですか?」
「女性と買い物なんてほとんどしたことないからな。」
「女子はどうしても買い物長くなっちゃうし…。そういうの大丈夫ですか?」
「心配してるのか?俺のことは気にしなくていいから、好きなように買い物しろ。室井が興味のあるものに興味がある。」
部長が笑う。
私のすぐ隣で。
それが、すごく
…嬉しかった。
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