告白

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私は早速マップをとり、はやる気持ちで部長に言う。 「部長!どこから行きましょうか?」 その瞬間、近くにいたカップルと女の子の二人組が私たちを振り返り、すぐに顔を戻してなにやらヒソヒソ声を潜(ヒソ)めた。 …何かしたかな? すると、部長が私を引き寄せた。 「まったく…。さっき名前で呼べと言ったはずだ。こんなところで上司と部下が買い物なんて、下手したら変に誤解されるぞ。」 変な…誤解!? 上司と部下の変な関係……不倫とか? ふ、不倫っ!? 私は一人顔を赤らめながら慌てる。 「そんなっ…。私たちは清らかなお付き合いを…。」 「ハハッ。確かに今は清らかなだな。」 部長が笑う。 「ちゃんと名前で呼べ。清らかなお付き合いなんだから。」 部長はまだ笑ってる。 「俺の物は後からでいい。ゆいは買いたいものたくさんあるんだろ?好きなように行け。」 確かに…買いたいものがたくさん。 ……え…!! "ゆい" 今、部長、"ゆい"って言った!? しかも、さらっと自然に言ってなかった? 私はまた一人、顔を燃やしながらも、部長を退屈させないように、せめててきぱき行動しなくちゃと気合を入れた。 「じゃあ、このお店行きたいです。」 マップで確認して、お店巡りが始まった。
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