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…部長…?
私が玄関で振り返った瞬間。
フワッと部長のカラダに包まれた。
…え。
「…部長…」
「…今日…事務所でおまえを見たときから、ずっと抱きしめてやりたかった。…ずっと…こうしてやりたかった。」
「………。」
「給湯室でも、エレベーターでも。…でも…職場では出来なかった。でももう…我慢の限界だ。」
部長に抱きしめられて、私の心臓は一気に音を立てて跳ね上がり、部長に気付かれてしまいそうだった。
同時に…
成瀬さんにされた時との違いに驚いた。
部長の胸の中は温かくて、優しくて…心地いい。
でも…
「…部長…苦しい…。」
…力強かった。
「…悪い。」
少し緩んだ部長の腕の隙間から、私は自分の腕を伸ばし、部長の背中にゆっくりと回した。
それに部長が体で少し反応したみたいだった。
「…部長。私も同じです。…部長が来てくれた瞬間から部長に…抱きしめて欲しかった…。」
そこまで言うとなぜか涙が滲(ニジ)んだ。
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