嵐の予感

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「西島くん!連休前に頼んだ件、オッケーでしょ?近い内にセッティングしたいのよ。いいでしょ?」 張りのある声が事務所全体に響く。 …何の話だろう? それに、部長に"西島くん"て… 部長ですよ? 「俺じゃなくても、君をサポート出来る奴は他にもいるだろ?そっちの部署でなんとかならないのか?」 「今回はダメよ!先方があなたを指名してきてるんだし!前にあなたが担当してたでしょ?だーかーら。お願い!いいでしょ?」 …"あなた"って。 勝野課長、部長と親しげ…。 「…社長に許可をもらってからだ。あくまでも同席するだけだ。俺をあまり引き込まないでくれ。」 「良かった!社長ならきっとオッケー出すわよ!また一緒に仕事ができるのね!」 手を叩いてはしゃぐ勝野課長。 …一緒に…仕事? 私たち三人には部長たちの声は聞こえてくるものの、気にしない素振りで自分達の手を進める。 その時。 「…あれ?…そのネクタイ…。」 …何? 勝野課長がネクタイを気にしてるみたいだった。
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