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「…なんだか西島くんぽくないわね?なんか可愛すぎ…というか幼すぎ。」
勝野課長が笑う。
私は一瞬、自分の顔が熱くなるのがわかった。
たぶん、勝野課長は部長が選んだものじゃないって気付いてるんだと思う。
だから、こんな言い方を…。
「俺は気に入って着けてる。人のネクタイのセンスをとやかく言うために来たのか?」
「そんなことないけど、私だったら、もっとあなたに似合うシックなもの選ぶわ。」
部長はそれには答えず冷たく言った。
「用が済んだらもういいだろ。それから、俺の役職は部長だ。部署は違うが仮にも組織の上司だ。俺を呼ぶときは部長と呼べ。」
「なによ…。私とあなたの仲じゃない!」
「俺たちに上司と部下の関係以外、どんな仲があるんだ?早く戻れ。仕事が待ってるぞ。」
「…わかりましたよ、西島部長!」
勝野課長は納得いかない様子で事務所を出ようとしていた。
その時、ふいに目が合ってしまった私に彼女はウィンクして言った。
「お騒がせしてごめんなさーい。失礼するわ。」
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