嵐の予感

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それから私たちは夕食をとり、私のアパートへ向かう。 アパートに着くと部長が荷物を玄関まで運んでくれた。 「…コーヒーだけでもどうですか?」 …正直、なんだかこのまま別れるのが寂しかった。 「…ん。…そうだな。」 部長もそう思ってくれてたら、嬉しいんだけど。 部長は一度車を止め直しに行き、その間にあの赤と青のコーヒーカップにコーヒーを入れる。 部長が戻ってきて、二人で息をついた。 疲れたのか部長もソファに体を埋めていた。 「…疲れちゃいましたか?」 「大丈夫だ。楽しかった。」 そう言って少し体を起して私に向けられた笑顔は、 本当にそう思ってくれているって私に思わせてくれた。
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