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リビングのテーブルに行くと紅茶が入っていた。
いい香り。
だけど…珍しい香り。
「変わった香りですね?いい匂い。」
「マスカットティーだ。貰い物だけど、ゆい、紅茶好きなんだろ?」
前に家に来たときのこと、覚えててくれたんだ。
飲んでみると、マスカット風味が仄かにしてすごく美味しい。
私はソファに部長と並び、紅茶を片手になんとも優雅な気分だった。
だけど突然…
隣にいた部長が私の髪の毛を触り始めた。パーマの巻きに添ってくるくると指に巻きつけながら。
「…秀一…さん?」
私がゆっくり部長に顔を向けると、ニヤリと笑って部長が言った。
「…夕飯まで、まだ時間あるよな?」
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