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「…秀一さん。プレゼントは夜の約束です。」
ゆいが顔を赤らめて言う。
その顔がもうダメなんだって。
「…あれ、約束なのか?」
「…そうです。」
「じゃ、百歩譲ってそれでいいから、キスくらいいいだろ?」
「………。」
ゆいが黙るので了承かと思いきや、意外なことを言う。
「…私はかまいませんけど、…秀一さん、その先をちゃんと我慢出来ますか?プレゼントは夜ですよ。」
ゆいにしては強気で大胆なことを言う。
それがまた俺のツボにはまるのに。
俺は少し考えたふりをしてこう言う。
「…わかったよ。確かにブレーキはきかない気がする。間違いなく。」
ゆいは両手で制した形のまま、頷いた。
「なら、早く夕飯にしよう。お腹も空いた。ほら、ゆい、早く。」
俺はゆいをソファから立たせ、キッチンに促した。
「…先に言っておくが、プレゼントの包みを開けたらもう俺のものだ。…好きにさせてもらう。」
手を引きながらキッチンに入り、強気だったゆいに意地悪な仕返しをする。
ゆいはチラッと俺を見て、すぐに目を反らして言った。
「…どうぞご自由に。」
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