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じゃあ…
部長にとって肉親と言えるのは…美月さんだけ…。
私は自分とはあまりに違う部長の家庭環境に驚きながらも、さっきの私の無神経な質問を悔やんでいた。
「…ごめんなさい。無神経なこと言ってしまって…。」
「謝なくていい。ただ、誕生日を祝ってもらって、久しぶりに誕生日も悪くないって思えたよ。毎年ただ歳をとるだけだったのに、これからゆいが祝ってくれるなら誕生日が楽しみだ。」
私の目に涙が滲(ニジ)んだ。
これからずっと、私がそばにいていいのなら…部長の誕生日をずっと一緒にお祝いしてあげる。
「…ケーキ!ケーキ食べましょう!」
私は冷蔵庫にケーキを取りに行き、ロウソクを立ててテーブルに置いた。
部長に火をお願いして、照明を落とす。
「…誕生日。おめでとうございます。」
私は今まで食事をしていた席から、部長のすぐ隣に移り、部長に言った。
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