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ケーキを食べる時にはいつものゆいに戻っていた。
「スポンジ、ほわほわー!」
「ふわふわー!」
「いちごクリーム最高~」
「…もう一個買えば良かったぁ。」
「ゆい。」
俺が自分の分をフォークにすくって差し出すと、遠慮がちにだが口を開けた。
俺のフォークから無邪気にケーキを頬張るゆいを見ていると、我慢も限界に達する。
「…ゆい。夕飯終わったよな?ごちそうさま。もうプレゼントの時間だろ?…早く欲しい。」
「ま、まだ…片付けが…。」
「そんなもの後でやればいい。」
「で、でも、片付けないと…落ち着かないです。」
「俺は気にならない。第一、今からはあっちの部屋に行く。ここは目に入らない。」
「…あっちって…?」
「ベッドがある部屋。」
「………。」
観念したか?
「…シャワーは浴びれますか?」
「そのままでいいけど。」
「…プレゼントの準備です…。」
言いながらゆいの顔はどんどん顔赤く染まる。
「…じゃあ、おとなしく待ってる。」
俺はゆいを風呂に案内した。
「一緒に入ろうか?」
冗談交じりに言ってみたが、ギャーギャー騒いで追い出された。
一人になって…
少し緊張している自分がいた。
子供も大人も欲しいものがいざ手に入るとなると…わくわくを通り越して緊張に変わるのだろうか。
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