恋人

21/39

3620人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
…これ…は…。 部長はタオルに添えて、バスローブまで用意してくれてあるけれど、こんなの…ハードルが高すぎる…。 私は家から持ってきた部屋着のシャツワンピにした。膝上の丈で胴回りが広目の水色のストライプ。着心地、寝心地抜群のルームウェア。 下着はやっぱり…紺色のものにした。 …部長のために買ったんだから。 髪を乾かしてリビングに戻った。 「…先にすみません。すごく素敵なお風呂ですね!一人で入るにはもったいないくらい。」 「…なら、次は一緒に入ろう。家で楽しみなのは風呂くらいだからな。時間をかけた特注だ。」 「…すごい…。」 「…それにしても、おまえは俺をいじめてるのか?どれだけ待てばいいんだ?」 部長はそう言いながらソファから立ち上がり、お風呂場に向かう。 「すぐに出るから待ってろ。」 私は一人残されて水を飲もうとキッチンへ入った。 テーブルの上はきれいに片付けられ、食器洗浄機が音をたてていた。 私、お風呂でのんびりし過ぎたみたい。 …部長、ごめんなさい。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3620人が本棚に入れています
本棚に追加