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「…ゆいの?」
…私の言葉を待っている。
「…彼…氏…ですから。」
部長は隣で満足そうに笑った。
私は負けまいと、今度は攻撃に転ずる。
「それより…誕生日は?…秀一さんの誕生日、教えてもらえるんですか?」
「ああ、"今日"なんだ。」
へ?
え?
"今日"!?
「え、あの、え…どうしよう…私、何も用意してなくて…。」
ああ、またパニック。
本当にどうして今まで教えてくれなかったの!?
「…こうなると思った。用意なんて何もいらない。」
慌てる私をよそに落ち着いた口調で部長が言った。
「…そんな。誕生日なら一緒にお祝いしたいのに…。」
「もちろん、ゆいには祝ってもらいたい。特別なプレゼントでな。」
あ、またこの顔。
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