恋人

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夕飯はカレーライスだった。彩りのいいサラダとフルーツがついた。 俺は手作りのカレーなんて本当に久々で、覚えてもないが昔を懐かしく感じた。 昨日よりも和んだ雰囲気の食卓。たわいもない話をしてゆっくりと食事を終える。 片付けも終わると、帰したくはないが、あまり遅くならない内にゆいを送らなければならない。 俺は重い腰を上げた。 ゆいは帰るまでにキッチンなどを綺麗に掃除してくれていた。 「明日からまた一週間ですね。」 「…会社で我慢が効くかが心配だ。」 「…我慢して下さいよ。」 「頑張るつもりだ。」 ゆっくり運転したつもりだが、あっ言う間にゆいのアパートに着いてしまった。 …離したくないな。 「ありがとうございました。とっても楽しかったです。」 満面の笑みで言うゆいを思わず引き寄せてキスをする。 その後の我慢が辛いのに。 「俺こそ楽しかった。ありがとう。おやすみ。」 走り出す俺をゆいは見えなくなるまで見送っていた。
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