恋人

5/39

3620人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
…私、部長から大切に想われてるって、うぬぼれてもいいのかな? 私自身を特別な日のプレゼントでいいと言ってくれた。 恥ずかしいけど、嬉しくて、私はやっと心からの笑みがこぼれた。 「…秀一さん。今日、一緒に過ごせてすごくうれしいです。」 私が部長に顔を向けると、部長も優しく笑い返してくれた。 「その顔…やっと見れた。…ずっと見ていたいが、あまり見てると夜まで待てなくなる…。」 「プ、プレゼントは夜、渡すものです!どんな家庭もディナーの後ですよ!」 部長の言葉に慌てた私は、とんちんかんなことを返してしまった。 「昼からのお祝いでもかまわないけど。」 部長も笑う。 久しぶりに部長と笑い合えて、今日という日は私にとっても最高な一日になるかもしれない。 私は緩む口許を隠すこともしないで笑っていた。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3620人が本棚に入れています
本棚に追加