不安

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俺の言葉にも、アイツは俺から目を反らさない。 …が、一瞬だけ顔の筋肉が動いたような気がした。 …脈ありか。 アイツはそれからほとんど何も言わずに、彼女とエレベーターに向かった。 去り際に、アイツは彼女のことを"ゆい"と名前で呼び捨てにした。 それが…アイツと彼女の距離だった。 おれは一人唇を噛み、しばらく時間を置いて歩き出した。 俺はアイツのことが嫌いだ。 アイツが二年前、営業部にきたときから。
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