不安

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「あら!室井さん!こんな時間に珍しいわね!?」 元気に声を掛けてくれるのがこの店の奥さんの樹里さん。 何度も来ているので顔馴染み。普段は遅くまでやっているので、会社帰りに寄って、一度家に花を持ち帰り、翌日会社に持って行くのが私のパターンだった。 「今日は急な用件で、お見舞いの花をお願いしたいんです。」 私は相手が会社役員で大切なお客様であること。花が好きであること。だいたいの予算と何か一味違ったアレンジをお願いしたいと伝えた。 店内の花を見て回る。 ここは花の種類も多くて、珍しい花も取り揃えている、私のお気に入りの空間だった。 どれも素敵。 私は何本か目を引いた花を抜き出し樹里さんに聞いた。 「この花、使えますか?」 樹里さんはにっこり笑って頷いた。 しばらく待つこと20分。 「これでどうかしら?」 樹里さんが声を掛けてくれた。 「素敵!バッチリです。わあ、ホントに素敵です!」
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