不安

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出来上がったアレンジは大輪の花と小さな花、大きな葉と細かい葉。葉の緑の濃淡に白い花。アクセントに黒に近い落ちついた赤い花を入れた大人の雰囲気に仕上がっている。 形も普通の籠(カゴ)ではなく、大きめの長方形で手作りのもののようだった。 「ホントにありがとうございました。うちの社長も喜びます。」 お礼を言って、持ち帰れるように準備をしてもらう。 「かなり、大きいから重いし、大丈夫?…しかも、なんか雲行き怪しくなって来たみたいだし。配達してあげたいけど、今主人が他で車使ってて…ごめんね。」 外を見るとホントに空の色が怪しい。 さっきまであんなに晴れてたのに。 急いで帰らないとまずいかもしれない。 「大丈夫です。ありがとうございました。」 私は花と伝票を受け取り、急いで店を出た。 だけど… 花が思ったより重い……。 私は両手で抱えるようにして持ち直した。 花屋を出て間もなく。 ポツリ。 ポツリ。 …え、やだ! 降ってきた! 小走りをしてみたものの、雨は大粒で、一気に激しい雨になった。 私は急いで一番近い屋根下に入った。
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