不安

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…どうしよう。 花は樹里さんが濡れないように包んでくれてある。 だけど… …私がびしょ濡れ。 私はハンカチで髪の毛を拭こうとふと肩に目をやり、思わず周りを見回した。 …どうしよう。 私の薄いブラウスは思ってた以上に濡れていて、下着のラインがハッキリわかってしまうほどになっている。 髪の毛からはポタポタ滴が落ちる。 急な通り雨に、何人かが同じ屋根に入ってくる。 もちろん、男性も。 わたしは端に寄りながら考えを巡らせる。 社長が出る時間までにそんなに余裕もない。 私は迷ったあげく、部長に電話を掛けた。 「…すみません、室井です。」 『ああ、今連絡しようと思ってた。この雨、大丈夫か?』 「…すみません。動けなくなっちゃいました。花が思ったより大きいので、傘を買ったとしても無理そうで…。」 『わかった。すぐ迎えに行く。』 私は部長に場所を伝えて待つことになった。 その間にも屋根下には人が増え、私のすぐ隣にも男性が立った。 私は気のせいではない視線に身を縮める思いで部長を待った。
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