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そして迎えた金曜日。
私は会社帰りに直接行こうと思うので、着替えを持って来た。会社の恰好は既に半袖ブラウスとスカートだから、たためばコンパクトになるし、大丈夫。
金曜日ということに加えて、今日の飲み会。飲み会って言っても私はおいしいもの食べるだけなんだけど、そんなおいしいものと、久しぶりの懐かしいメンバーでのおしゃべりがすごく楽しみだった。
「ゆい先輩、今日何かあるんですか?なんか、浮かれてません?」
あ、琴ちゃんにばれた。
「もしかして、デート?」
「あ、違うの。ちょっと営業部の仲良しで飲み会なの。」
「そうなんだ。」
返事をしたのは池口さん。
「はい。久しぶりのメンバーなので、ちょっと楽しみで。」
「あ、いいなー。今度経理でもしましょうよ!」
「そーだね。しようね。」
「じゃ、俺、計画しよっと。」
「あ、池口さんがはりきってる。」
その日は来客も多くて、バタバタした一日だったけれど、早く上がらないといけないために、お昼休みも半分削った。
あっという間に定時を過ぎて、残業時間。
カタカタカタカタ………。
まるで残業とは思えない気迫でキーボードを叩く。
だけど、もう時間。
池口さんに挨拶して、事務所を出る。
部長は社長と同行していて、外から直帰。
急いでローカールームで着替えをして、会社を出る前に今から行きますと部長にメールを送る。
初めての場所だったので、急ぎ足で会社を出た。
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