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「おはよう。」
「おはようございます。」
エプロン姿で、朝食の支度をしているゆい。
顔はノーメイクだが、それがまたかわいい。
テーブルに並べられた、俺が買った夫婦茶碗にお揃いの箸。
それが当たり前になってきていることが、嬉しかった。
ゆっくりを朝食を味わうと、昨日のことが夢だったかのような穏やかな時間が流れる。
それぞれ、コーヒーと紅茶を飲みながらソファでくつろぐ。
「やっと。マスカットティーだ。」
ゆいはマスカットティーになぜかうっとりだ。
あ、夕べのマスカットって?
「そんなに飲みたかったのか?」
「はい。でも昨日はお酒飲むまでお預けにされて。」
俺はこの穏やかな時間の中で少し悩んでいた。
ゆいを責めるつもりなんて、全くない。
しかし、勝野のこと。成瀬のこと。話しておいた方がいいんじゃないのか。
俺は迷いながらもやはり話すことにした。
俺は成瀬からの話をもとに出来るだけゆいにわかりやすいように話した。
「…嘘。」
「…なんで?」
ゆいの反応は当然だろう。
「勝野は俺とゆいを別れさせようと思ってるらしい。そのための手段は選ばないようだ。」
「…そんな。…あ、だから……。」
ゆいは飲み会の席で男たちを前にして、胸を触られたことなども話してくれた。
アイツ、どういうつもりだ。
他の男を焚きつけようとでもしてたのか。
俺の中にまた沸々と怒りが沸いてきていた。
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