罠 #2

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ゆいは勝野に関しては不信を抱くばかりだったが、成瀬には別の反応だった。 「…じゃあ、成瀬さんが来てくれたから私、無事だったってことですか?」 そう言いながら顔が青ざめていく。 俺はそんなゆいを引き寄せ肩を撫でる。 「大丈夫だ。これからもちゃんと守ってやる。」 「…でも、成瀬さん、私を助けてくれたんだ…。成瀬さんてホントによくわからない人だけど、根は悪い人には思えなかったから。」 「…なんでだ?」 「…あの雨の日、ずぶ濡れの私を見て一瞬だけ本当に心配そうな顔したんです。でも、あの後あんなこと言うからまた、よくわからなくって。」 …そうだったのか。 …アイツ、やっぱりゆいのこと本気だったんだな。 「今度会ったら、お礼言ってもいいですか?」 「ああ。ゆいがそうしたいならそうしろ。」 もう、ゆいにとって成瀬は危険じゃない。 アイツはきっとこれから変わるだろう。 危ないのは……勝野だ。 彼女をどうするか。 それはそうと、ゆいを危険な目に遭わせた礼はたっぷりさせてもらう。 俺たちはこの話はこれで終え、それからは二人の休日を楽しむことにした。 ゆいが一通り洗濯などの家事を済ませてくれた後、一度ゆいのアパートに戻ることにして、お昼はゆいのとこで食べることになった。 途中、買い物といつものDVD のレンタルショップに寄ってからゆいの部屋に向かう。 アパートに着くとゆいは、着替え、洗濯、メイクをてきぱきと終えて昼食を作り始める。 少し遅い昼食を終えると、それからはのんびり過ごした。 ゆいとの時間はあっという間に過ぎる。 夕飯はどこかに食べに行こうと話していた時、ゆいの携帯が鳴った。 携帯を確認しながら 「あ、美咲だ。…藤森さんです。」 俺に一言言うと、ゆいは電話を受けた。
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