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「いらっしゃい。」
「あー!美月さん!今日も綺麗!!」
美咲のテンション、彼氏と別れたばかりとは思えません。
「美月さん、こんばんは。」
「美咲ちゃんに、ゆいちゃん、いらっしゃい。あら、今日は西島部長も一緒なのね?」
美月さんが部長、弟のことを西島部長と呼ぶのがおかしかった。
「…ゆいちゃん。美咲ちゃんって。どうなってんだ?」
「部長の誕生日の少し前に、美咲と二人で来させてもらったんです。」
「そうそう。ゆいのお悩み相談に来たんです。」
「悩み?」
「…あの。…なんでもないんです。もう解決しましたし。その時美月さんが部長のお姉さんて、聞かせてもらっちゃいました。」
「なんだ。そういうことか。」
「お姉さんなら最初に来た時に言ってくれたら良かったじゃないですか。」
「あの時は池口もいたし、なんか照れくさくてな。」
そんな会話をしながら、美月さんがカウンターに席を用意し始める。
「今日は座敷がいいんだが、空いてないか?」
「あら、空いてるわよ。じゃ、上がってちょうだい。」
美月さんとも話せるし、カウンターで良かったんだけど。と思いながら部長を見ると、
「藤森の別れ話に火が付いたら騒がしくなるからな。」
と、私の耳元で笑いながら言った。
確かに。
「あー!!そこの二人!!今、私の目の前でいちゃついたわね?」
「してない。してないから。ほら、美咲、あがって。」
美月さんがおしぼりを持ってきてくれると、
「適当に頼む。」
部長が言ったのに乗っかるように
「美月さん、今日は部長のおごりですから、美味しいものたっくさんお願いします!」
「はいはい。わかりました。お腹いっぱい食べて行ってね。」
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