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月曜日。
私はいつも時間ギリギリといったところだけど、今日は早目に出社する。
始業の準備をして、早々とロビーの受付カウンターへ。
私が席に着いてから、すぐに彼はやってきた。
成瀬さん。
意外に早い出社なんだ。
私は成瀬さんに駆け寄る。
「あ。」
成瀬さんの第一声。
「おはようございます。土曜はごめんなさい。すごく失礼なことを。」
「ホント、マジ失礼。」
…何も言えない。
「…でも、彼氏と別れたばっかだったんだろ?ごめん。俺…少しは気持ちわかったはずなのにあの言い方はキツすぎた。」
…え?
成瀬さんからの優しい言葉に失礼ながら、驚いた。
…気持ちがわかる?
成瀬さんも別れた?…失恋?
「んじゃ。」
成瀬さんは行ってしまった。
成瀬さんのことはゆいからも、部長からもなんとなく聞いて最初のイメージと違ってきてるって感じてたけど、私もそれを実感した。
「んじゃ。」
ロビーに一人になってから私もポツリ呟いて、カウンターに戻った。
「おはようございます!」
その朝、次々に出社してくる社員の皆さんに私はいつもより元気よく挨拶をしていた。
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