罠 #2

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俺はゆいに帰り仕度を促し、車に乗せて出発した。 慌てるように会社という枠を飛び出して、すぐに車を停める。 驚くゆいをよそに強く引き寄せてキスをする。 まるで、買ってもらったおもちゃを家まで我慢できない子供みたいだった。 ゆいはまた涙を流し、それを俺がきれいに拭ってやる。 「俺たち、ちゃんと両想いだな。」 "両想い" そんな子供じみた言葉が口から出て、自分でも驚いたが、今の俺たちにはしっくり来る気がした。 ゆいにも伝わったんだろうか。 潤んだ瞳で優しく笑うゆい。 「はい。両想いです。」 俺は再びキスをした。 さっきよりも熱いキスを。 車の中ではハザードの小さな点滅音だけが二人の鼓動のように聞こえていた。
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