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夕飯の準備をしていると部長が帰ってきた。
「おかえりなさい。」
「ただいま。」
私が鞄を受け取ろうとすると、部長が鞄を離さない。
ん?
「…秀一さん?」
「昨日は俺の胸に手を置いて、何かしてくれようとしてたじゃないか。アイツに邪魔されたけど。今日はないのか?」
あ。
昨日は帰って来た部長に思わず抱きついてしまいたくなったんだよね。
部長は私を見下ろして待っている。
「…して欲しいですか?」
よせばいいのに、いたずら心が芽生えてしまった。
私は部長の胸に手を置いて背伸びをしながら、もう一度おかえりなさいを言ってキスをした。
すると、ひょいっと私の体が持ち上がり部長に抱き抱えられてそのまま奥へ。
寝室へ。
ベッドへ。
ドスン。
「"して欲しいんですか?"…そんな挑発的な言葉が聞けるとは思わなかった。」
そう言って、唇を塞がれる。
「…ん、…んん。秀……一…さ」
しゃべろうとしてもそうさせてもらえず、部長はさらに強く舌を絡ませてくる。
その唇は首に降りて、耳に戻って私を刺激し、部長の手はワンピース裾(スソ)から滑り込む。
我慢しきれない声が漏れ始めた時、部長が手も唇も離して私を見つめる。
「…して欲しいのか?」
あの顔で、
この発言。
仕返ししてるんだ。
けれど、私の火照り始めた体はどうすることも出来なくて、私の答えは一つだけ。
「…はい。」
「…わかった。」
部長はそんな私に満足してにやりと笑った。
二人がベッドから出る頃にはもう室内が暗くなるほど日が落ちていた。
「急いで、ご飯作りますね。」
私は髪の毛を結んでキッチンに立った。
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