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パーティーは7時から。
部長との待ち合わせは10分前。
私は時間より少し早く会場のホテルに着いた。
部長を待つ間、すごくドキドキした。
考えたら待ち合わせっていうのは初めてかもしれない。
部長はどんな格好で来るのかな?
私がホテルのロビーで待っていると、
「すいません。」
ふいに声を掛けられた。
振り向くと3人の男性。
きちんとしたスーツ姿。
誰だろう?
「もしかして、今日の原田社長のパーティーに出席される方ですか?」
丁寧な話し方に、少し安心する。
「はい。」
「すごく素敵なドレスだね。もちろん君もすごく綺麗だけど。」
「ホント。一人で来たの?」
「パーティーが終わったらどうするの?よかったら…。」
始めの印象と違ってどんどん馴れ馴れしくなってくる。
それに、後からまた一人加わって私は4人に囲まれてしまった。
…部長、早く来ないかな。
「…すみません。」
私が彼らを退けてロビーを出ようとした時、
「ゆい!」
部長の声がした。
「私の連れだ。行こう。ゆい。」
部長が男性の中に割って入って、私の手を掴む。
「…部長。」
「遅くなって悪かった。」
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