華と花

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部長、かっこよすぎです。 部長はシックな黒のスーツに淡いグレーのシャツ。今日はネクタイじゃなくて品のいいスカーフを首元に綺麗にあしらっている。 素敵すぎる。 私の彼氏とは信じ難いです。 エレベータを一つ見送って、次のに二人で乗り込んだ途端、部長が激しいキスを浴びせてきた。 こんなところで!? わずかな抵抗もすぐに無意味だとわかって、私も部長のキスに溺れてしまいそうになる。 と、思ったら急に唇が離され、次の瞬間、扉が開いた。 …ギ、…ギリギリ。 扉が開いて何人かがいたように思ったけど、恥ずかしくて顔を上げられない。 私は部長からなるべく離れないように慣れないヒールで早足を頑張る。 受付の少し前で私はバックからハンカチを取り出し、部長の唇を軽く拭う。 ハンカチには赤いルージュが薄っすら色付いて、私も化粧直しをしなきゃなと思った。 ゆかりさんがルージュくれてよかった。 …まさか、ゆかりさん、これを見越して!? いえいえ。 …でも、ゆかりさんならあり得る。 私はゆかりさんの笑顔を思い出していた。
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