華と花

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受付では招待状と引き換えに、記帳を済まして部長はご祝儀を渡していた。 私はプレゼント持参。 直接原田社長にお渡しする。 パーティーは盛大に開幕された。 結婚式などを行う大きな式場に原田社長の誕生パーティーであることが示された横断幕が掲げられたステージもあり、いくつか並べられた丸テーブルの中央にパーティーを彩る料理がふんだんに置かれていた。 「部長!すごいお料理!!全部はやっぱ食べきれませんよね?」 「そうだな。」 「あ!あの高いタワー!デザートで飾られてますよ!綺麗!すっごく美味しそうですよ!!あ。私、あの一番上の、絶対食べます!」 塔の頂上付近には木イチゴかな、ミックスベリー的な果実を乗せたピンク色のムースの下がショコラっぽいデザートがある。私好み。 「落ち着け。先に原田社長に挨拶に行くぞ。」 「…あ。…すみません。」 私は笑った部長に腰を支えられ、原田社長のもとまで移動した。 原田社長の周りには次々に招待客が挨拶にみえていたけど、順番を待って私たちの番になった。 「原田社長。本日はおめでとうございます。ご招待頂きありがとうございます。」 部長の挨拶の後、私も挨拶をする。 「原田社長。おめでとうございます。」 「室井さん!うわぁ!すごい!思ってた以上に綺麗だよ!君は淡い色のドレスかと思って探してたんだけど、黒かぁ。普段よりグッと色っぽいよ。あ、セクハラかな?」 そう言って、原田社長はいつも通り大きく笑う。 今日はご機嫌だから笑い声がさらに大きい。 「そんな。今日は私なんかをお招き頂いてありがとうございます。これ、社長へのプレゼントに。気に入って頂けると嬉しいんですが…。」 「うわぁ!室井さんらしい、素敵なプレゼントだね。ありがとう。」 私が渡したのは大き過ぎないこじんまりとした花束。だけど、ただの花束じゃなくて花の中に棒を付けたキャンディやチョコレートを一緒に束ねてある。会社でいつもお世話になってる花屋さんに頼んで作ってもらったもの。 原田社長はいつもキャンディを持ち歩いているほどの甘党なのだ。 原田社長は花束の中からチョコレートを一つ外して、口に放り込んだ。 「室井さんありがとう。今日は楽しんでいってね。君を呼んでよかったよ。本当に綺麗だ。戸田社長が羨ましいな。」 その後また大きく笑った。
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