華と花

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…なんなんだ。 俺は。 今日のパーティーのために着飾ったゆいが、いつもよりも違った意味で魅力的で嬉しい気持ちは当然ある。 綺麗だと言った時、嬉しそうに顔を赤らめていたゆい。 俺のために選んでくれた衣装だとも思う。 なのに、それが他の男の目に触れることが許せない。 好気の眼差しを寄せる、名前も知らない奴らに嫉妬している。 そして、あの原田社長の息子だ。 俺より明らかに年下、ゆいよりも下に違いないアイツが、ゆいと結婚だと? 取引先の社長のボンボンだと思って下手に出てればいい気になりやがって。 …それに、ゆいだ。 ゆいの態度が気に入らない。 『付き合ってる男がいる。』 そう言って、もっとはっきり断ってくれるものだと期待していたのに、あの歯切れの悪さだ。 ゆいを強く想うがゆえに、その反動で沸き起こる強い嫉妬心。 俺は今までの付き合いではこの感情とは無縁だった。 それがゆいと付き合うようになって、自分でも感じたことのないこの感情をコントロールしきれないことがある。 それをゆいにぶつけてしまった後、一瞬で後悔に落ちるが、その後をどうやって立て直していいかのかわからない。 ゆいの楽しみにしていた料理に話を持っていくが、ゆいの気持ちは当然沈んだままだ。 しまいにはまた他の男に声を掛けられ、俺を気にしてだろう、ゆいらしくない態度でそいつを振り切って出て行った。 …俺は、何をやってるんだ。 彼女のドレスもメイクも、ゆいが笑っていなければ台無しだというのに。
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