2437人が本棚に入れています
本棚に追加
翌日土曜日は美月さんとのデート。
部長は接待のために一足早く出掛けて行った。
私が準備を整えて待っていると美月さんからの電話が鳴る。
『もうすぐ着くから下に降りててくれる?』
「わかりました。」
私がマンションの入り口で待っていると、マンションの前の道に颯爽と止まる一台の真っ赤な外車。
窓が開いたかと思ったら、
「お待たせ。乗って!」
美月さんがウィンクしながら言った。
私は驚きながらも助手席に乗り込む。
やっぱ。お金持ちなんだ。
と、今更ながらまた思う。
美月さんはいつも和服姿だけど、今日はベージュの上質のツーピースに髪の毛も下ろしている。アクセサリーも目を引く素敵なもの。
…私、…不釣り合いかも。
私は黒地にピンクや赤の小花柄の膝上のワンピース。デコルテが見える広めの襟口に小さな襟付き。
そんな心配をよそに、美月さんはいつもの笑顔で話しかけてくる。
「今日は女同士で楽しみましょ。私のこと、本当の姉だと思ってくれていいからね。」
「ありがとうございます。よろしくお願いします。」
「そんな硬いことはなしよ。姉妹なんだから。もう、お店には連絡してあるの。かわいい妹を連れて行くからって。」
美月さんは本当に嬉しそうで、私も嬉しくなる。
…甘えてもいいのかな。
しばらく走って、お店に着いた。
外観がすごくオシャレで、私なんかが足を踏み入れるのには大分敷居が高い高級ブティックみたい。
……予算が不安です。
入り口前で足が止まると、美月さんがそっと背中に手を回してくれて中に促してくれた。
最初のコメントを投稿しよう!