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「いらっしゃーい。待ってたわよ!美月!」
中から勢いのいい声と一緒に出てきたのは美月さんと同じ年くらいの、派手な女性だった。
「この子なの!?あら、ホントに可愛いじゃないの!こんにちは。この店のオーナーの佐藤ゆかりです。」
「こちらが室井ゆいちゃん。」
「初めまして。よろしくお願いします。」
美月さんの紹介の後、私が挨拶するとゆかりさんはにっこり笑う。
「こんな可愛い子が妹だなんて羨ましい!ねえ、妹ってことは……秀ちゃんの?」
「そうなの。秀一にはもったいないけどね。」
…そんな…。
顔を赤らめる私を見て、また、ゆかりさんが笑う。
「うーん!可愛い!秀ちゃん見る目あるわ!良かったじゃない、美月!」
「でしょ?だから、とびっきり可愛くしてよね。」
「任せて!」
ゆかりさんと美月さんが楽しげに言葉を交わし、私たちはゆかりさんに案内されて奥に進む。
衣装が並ぶ部屋に通されると、ゆかりさんが私の全身を見回し、
「ちょっと、ごめんね。」
と、上下、横から胸を触る。
な、何!?
「細身で、色白、胸もある。どんな衣装でもイケるけど、せっかくだから胸の開いたセクシーなのにしてみる?」
「あ、それはダメ。秀一から念押されてるの。胸が見えるようなのはダメだって。」
「えー!何それ!?秀ちゃん意外に独占欲強いのね。」
「それだけ、大事に思ってるのよ。だから、それ以外にゆいちゃんの魅力を引き出すものでお願い。」
「はいはい。うーん。」
…部長、美月さんにそんな注文付けてたんだ。
……部長ってば。
でも、なんだか嬉しい。
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