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週始め。
給与支払いを控えていて、そのほとんどを任されている私は忙しくなる。
支払いまでにはデータを入力してからいくつもの項目を琴ちゃんのチェックの後、私もチェックをかける。
「ゆい先輩、営業と企画、出張旅費の精算書出してない人まだたくさんいますよ。出さないんなら払わないっての!」
「そっか。今日中にはデータ仕上げたいから、この後社長のお客さんの予定だからロビーに下りたついでに寄って来るね。松村係長と北沢係長に後で取りに行くからまとめてもらうように電話だけしておいてくれる?」
「わかりました。」
「チェック出来るとこまで終わったら、請求書進めててね。」
「了解です。」
そうしているとロビーからの内線が鳴る。
「C社の中谷専務がお見えです。」
「わかりました。すぐに行きます。」
営業ボイスの美咲にいつも私もそう返す。
社長のお客さんを案内し終わり、企画部と営業部に立ち寄る。
企画部では北沢係長が「悪い。悪い。」と言って、精算書をまとめて提出してくれた。
企画部に足を運ぶことは珍しいし、行った途端なぜか注目を集めてしまい、すぐに退散した。
営業部では松村係長が「悪い。悪い。」と、頭をかく。
…これって、定番?
「悪い。まだ出揃ってなくて。後は成瀬と越石。後で持って行かせるから。」
「わかりました。」
私は係長から離れて、ちょうど成瀬さんが見えたので声をかけて行くことにした。
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